テレビの向こう、テーブルのこっち。 『ありがちな凡ミス日記』
著:ホリ・ヒッソリーニ
午後4時頃、遅めの昼食。
健康が気になる今日このごろ。
とは言え結局「魚喰っときゃイイんでしょっ。。。。。」
的な、なんとも乏しい発想で解決。
実に安易。サンマ定食を注文。
考え事も多いこのごろ。
案の定この日も、サンマを待ちつつ
僕の意識はテーブルの上にはいなかった。
時計の針を指で止めたくなったり、あーだこーだ4~5分。
そのうち、考え事すらも考えなくなっていた。
あっ、なるほど、“腹が減ってはなんちゃらかんちゃら・・・・・”。
さぁ、サンマでも喰らうとしよう。
まずは、大根おろしを醤油で染めて、レモン を勢いよくかける。
温かい身をすぐさまほぐし、小骨も気にせず、いざパクリ。
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・・・・・・自分に対して、舌打ち一回。ため息一回。
・・・ひとまず一回、箸を置こう・・・・・。
ドンマイ・・・。よくあることさ・・・。
その日に限って、たっぷり多めにかけた黒いヤツ。
おいしくいただこうと思ってかけた黒いヤツ。
ソースでした。アハハ残念。ソースでした。
口に運ぶまでは、まったく気付きもせずに、一匹の魚と白いお米、
この自然の恵み達と、ただただ 口の中で仲良く戯れるはずであった・・・・・。
それがどうだろう?
思いっきりケンカしてるではないか。
大根おろしが思いっきり 泣いているではないかぁぁぁ。
、、、、27歳、梅雨時曇るとある午後・・・・・。
さぁ!一刻も早くこの愚かな争いに、カードをきらなくては・・・。
焦る気持ちと、ぶつけようのない苛立ちに別れを告げ、たどり着いた答え。
「そう!俺はキスかなんかの天ぷら定食を頼んだんだっけ!
やぁ、天ぷらは塩もイイけどやっぱソースだみゃぁ~~~。うんっ、イケる!モグモグ・・・。」
こうして一人の青年は、自己暗示を続けながら、
遅めの昼食を利用して、現実逃避の旅に出て行ったのであった。
その傍ら、店の片隅のテレビからは、北朝鮮での宛先不明のテポドンに関するニュース・・・。
チッ、このテーブル上でのニュース。悔しくも・・・・平和である。
大根おろしとソースと秋刀魚。たとえ、お口の中が戦場だろうが・・・・・平和である。
「それに比べりゃぁぁ~」を合言葉に、青年は一口ずつサンマを口に運んで行く。
一定のリズムをキープして、次から次へと休むまもなく・・・。
そう・・・、きっと、そうするほかに食べきる自信がなかったのであろう・・・・・・・・。
「ありがちな盆ミス日記」より。
