『別府に行く』と言えば、温泉に行くという意味で解釈される今日。
おそらくその言葉を口にする人の9割はそういった意味で使っているのでしょう。
そういうわけで、今回、『別府に行く』と言って旅立った私は、その話をする人々に解釈の訂正をしなければなりませんでした。
温泉に行くのではなく、遊園地に行くのです、と。
別府ワンダーラクテンチは昭和4年に開園し、2009年に開園80周年を迎える遊園地です。

別府ワンダーラクテンチは昭和4年に別府遊園という名称で開園、別府遊園㈱の経営でした。
昭和23年にケーブルラクテンチと名称変更、昭和29年から平成15年までは別府国際観光の経営でした。
別府遊園の創設者、山崎権市氏が兵庫県の摩耶ケーブルを見たとき、別府にも作りたいと思ったのがきっかけだそう。
ケーブルカーだけでは…ということで温泉と食事処を作ったのがラクテンチのはじまりです。

経営不振から岡本製作所に経営権が譲渡され、平成16年からは別府ワンダーラクテンチとしてリニューアルされました。

園内に入るにはケーブルカーに乗ります。
遊園地のアトラクションとしてのケーブルカーではなく、れっきとした鉄道なんです。
当然、時刻表もあるので、着いてすぐ入場というわけにはいきません。
下が「乙原駅」、上が「雲泉寺駅」。
ラクテンチのすぐ裏に住宅がたくさんあるため、雲泉寺駅から通学にケーブルカーを利用する小学生もいるそうです。(現在は少なくなっているみたいですが。)
今回乗ったのは「スター」号。
車両の名称は、開園時が「はと」と「つばめ」、その後、「ぱんだ」と「はくちょう」、リニューアル後に「スター」と「ライト」に変わっています。

日本一傾斜が急なケーブルカーとして名を馳せています。
ラクテンチの正面ゲートから別府湾まで大きな道路が一直線に伸びていますが、これは山崎権市氏が開園に合わせてつくったもの。
当時としては、別府で一番大きな道路だったそう。
ケーブルカーにアクセスしやすいよう道路をつくるなんて…まず思い浮かばない。
黄色の「ライト」号とすれ違います。
「ライト」号の乗務員さんが手をふってくれました。
ケーブルカーやロープウェイ、船など、ちょっと特別な乗り物に乗っているときには手を振ってしまいますよね。

操作室に特別に入れてもらえることに。
従業員さんに制動機はスイスのギゼライベルン式だということ、ブレーキの使い方、緊急時の対応などいろいろ教えていただきました。

ケーブルカーを降りてまず目に入るものは、小回転するアームがついた二重観覧車です。
本日は曇り、開園まで雨が降っていました。
本来なら、青空に観覧車が映えるはずだったのですが…
フラワー大観覧車は経営者が岡本製作所に変わったときに設置されたもの。
宝塚ファミリーランドにあったワンダーホイール(豊永産業が製造)を岡本製作所が譲り受け、両側にあった回転アームを片側だけに改造したものです。

すずらんの花を模したもので、二重回転する観覧車は日本でもここにしかありません。
球体に近い形のゴンドラは見ている分にはユニークですが、対面式ではなく円になる形で座る座席なので乗ると少し狭い気がします。
乗り降りの関係で回転のスピードが変化するので、ちょっとドキッとします。

観覧車からの眺めは絶景!
遠くに別府タワーが見えます。
15分ほど別府の街を展望して、地上に戻ります。
園内には展望スペースもありますが、この観覧車から眺めを見ずにしては帰れない…。

アームが水平になっているときはゴンドラに乗り込むことができないので、垂直になるまで待たなければなりません。
お客さんの管理が大変じゃないですか?と、思ったままのことを単刀直入に質問。
次々と周ってくるゴンドラにお客さんを乗せて降ろして…という一般的な観覧車とは違い、乗り降りはゴンドラが下側にきているときにしかできないですもんね。
だからコレでチェックしてるんだよ、とお客さんの乗ったゴンドラの番号にマグネットが付けられたホワイトボードを見せられました。
お客さんが多いときは把握するのが本当に大変、と係のオジサンは語っていました。
写真は次に紹介する「レインボー大吊橋」より撮影。

園内を縦断する「レインボー大吊橋」は、100円を入れると通行できます。
自分以外に誰かが橋を歩くと揺れてびっくりしましたが、やはり、揺れるのが吊橋の醍醐味なのかもしれないですね。
中央線が区切ってあり一方通行なので、立ち止まって景色を眺めていると後ろから歩いてきた人が追い越せないという難点があります。
ケーブルカーの駅からパノラマ温泉に行くには、吊橋を使うのが近道。

橋の入り口(温泉側)より。

パノラマ温泉に向かいます。
一階が脱衣所と露天風呂、二階が展望風呂。
露天風呂よりも展望風呂のほうが眺めがよいです。
『ワンダーラクテンチ』の名前が入ったタオルが北ゲートにて100円で買えます。
タオルは持参していましたが、他のお客さんが持っているのを見て買いました。

お風呂に入ってさっぱりしたところで、お昼ごはんです。
「ラクテンチカレー」というのを発見して、どんなものかと注文したら、いたって普通のカレーでした。
どのあたりがラクテンチなのか、聞くに聞けなかったです。
「ラクテンチ」らしさは分かりませんでしたが、至って普通の味で安心しました。
腹ごしらえを終えたところで、名物『あひる競争』に向かいます。
●別府ワンダーラクテンチ http://www.wonder-rakutenchi.jp/
大分県別府市流川通り18丁目
2008年8月
(大畑)
※2008年11月末日をもって閉園いたしました。
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